- 5,000万円を増やす方法が知りたい
- 5,000万円を運用するときのおすすめが知りたい
- 資産運用する際の注意点と成功のコツが知りたい
5,000万円を保有していると、「このまま預金で置いておいてよいのか」「どのくらい投資に回すべきか」と悩む人も多いだろう。
5,000万円は大きな資産だが、すべてを現金のまま保有していれば、物価上昇によって実質的な価値が目減りする可能性がある。また、1つの金融機関に預けている場合は、預金保険制度で保護される範囲も確認しておきたい。
一方で、5,000万円全額を投資に回す必要はない。まずは生活費や近い将来使う資金を確保し、そのうえで長期運用に回せる資金を決めることが重要だ。
5,000万円の資産運用では、債券・株式・投資信託・ETF・REITなどを組み合わせ、目的やリスク許容度に合ったポートフォリオを作ることが基本となる。
本記事では、5,000万円の資産運用におすすめの投資先、避けたい投資先、ポートフォリオ例、注意点、成功する人の考え方を解説する。
読み終える頃には、5,000万円を「守りながら増やす」ための考え方と具体的な選択肢が整理できるだろう。
5,000万円を増やす前に、まず資金を3つに分ける

5,000万円をさらに増やしたい場合でも、最初にやるべきことは「どの資金を投資に回すか」を決めることだ。
5,000万円すべてを同じ目的の資金として扱うと、生活費や教育費、住宅関連費などに必要なお金までリスク資産に入れてしまうおそれがある。
資産運用を始める前に、以下のように資金を分けておこう。
| 資金の種類 | 用途 | 主な置き場所 |
|---|---|---|
| 生活防衛資金 | 急な病気・失業・修繕費などに備えるお金 | 普通預金、定期預金など |
| 5年以内に使う資金 | 教育費、住宅購入、車の買い替え、介護費など | 預金、個人向け国債など |
| 長期運用資金 | 老後資金、インフレ対策、将来の資産形成 | 債券、投資信託、ETF、株式、REITなど |
投資に回すのは、基本的に「長期運用資金」だ。近い将来使う予定があるお金まで投資に回すと、必要なタイミングで相場が下落している場合に困る可能性がある。
5,000万円を持っている人ほど、増やすことだけでなく「使う時期ごとに分けて守る」ことを意識しよう。
銀行預金だけでは大きなリターンを得にくい
銀行預金は流動性が高く、日常生活の資金置き場として重要だ。一方で、預金だけで5,000万円を大きく増やすのは難しい。
また、預金保険制度では、利息の付く普通預金や定期預金などの一般預金等について、預金者1人あたり1金融機関ごとに元本1,000万円までと破綻日までの利息等が保護される。
5,000万円を1つの金融機関に預けている場合、金融機関が破綻した際に1,000万円を超える部分は残余財産の状況に応じて支払われるため、一部支払われない可能性がある。
そのため、預金は生活防衛資金や短期資金として活用しつつ、長期で使わない資金は投資による運用も検討したい。
インフレ対策として運用を検討する
現金で保有している資産は、物価が上昇すると実質的な価値が下がる。
総務省の2026年3月分の全国消費者物価指数では、総合指数は前年同月比1.5%上昇、生鮮食品を除く総合指数は前年同月比1.8%上昇している。
仮に物価上昇が続くと、同じ5,000万円でも将来買える商品やサービスの量は少なくなる。つまり、額面の金額は変わらなくても、生活上の価値は目減りする可能性がある。
5,000万円の価値を守るためには、生活に必要な現金を確保しつつ、余剰資金を長期的に運用することが有効な選択肢となる。
長期運用で複利効果を狙える
投資で得た利益を再投資すると、利益がさらに利益を生む複利効果が期待できる。
金融庁も、資産形成の基本として「長期・積立・分散投資」の考え方を紹介している。長い期間投資を続けることで複利の効果が大きくなり、分散投資によって価格変動をある程度抑えやすくなる。
ただし、投資には元本割れのリスクがある。期待リターンだけでなく、値動きに耐えられるか、いつ資金を使う予定かを踏まえて運用方針を決めることが大切だ。
5,000万円の資産運用におすすめの投資先

5,000万円を運用する際は、1つの商品に集中させるのではなく、複数の資産に分散することが基本だ。
ここでは、5,000万円の資産運用で検討しやすい投資先を紹介する。
債券投資
債券は、国・地方自治体・企業などが資金調達のために発行する有価証券だ。株式より値動きが比較的穏やかな商品も多く、ポートフォリオの安定性を高める役割が期待できる。
債券には、個人向け国債、社債、外国債券、債券ファンドなどがある。商品によってリスクが異なるため、ひとくくりに「安全」と考えないことが重要だ。
個人向け国債は、国が個人向けに発行する国債で、変動10年・固定5年・固定3年の3種類がある。2026年5月13日公表の発行条件では、初回の利子の適用利率は税引前で変動10年が年1.67%、固定5年が年1.89%、固定3年が年1.57%とされている。
一方、外国債券は金利が高い場合もあるが、為替変動の影響を受ける。円高になると、外貨建てで利益が出ていても円換算では損失になることがある。
安定性を重視する人は、個人向け国債や高格付けの債券、低コストの債券ファンドなどを組み合わせるとよいだろう。
株式投資
株式投資は、企業の株式を保有して配当金や売却益を狙う投資方法だ。
成長企業や高配当企業に投資できれば、資産を大きく増やせる可能性がある。銘柄によっては株主優待を受けられる場合もある。
一方で、株価は景気・金利・為替・企業業績などの影響を受けて大きく変動する。特定の個別株に資金を集中させると、企業固有の悪材料で大きな損失を受ける可能性がある。
5,000万円の運用では、個別株だけでなく、複数の企業に分散できる投資信託やETFも活用したい。
株式を使う場合でも、長期・分散を基本にし、短期売買で大きく増やそうとしないことが重要だ。
投資信託・ETF
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を専門家がまとめて運用する金融商品だ。ETFは金融商品取引所に上場している投資信託で、株式のように市場で売買できる。
投資対象は、国内外の株式、債券、不動産、金など幅広い。1本の商品で複数の資産や地域に分散できるため、資産運用初心者にも使いやすい。
特に、全世界株式や先進国株式などのインデックスファンドは、低コストで広く分散しやすい点が特徴だ。
ただし、投資信託やETFにも元本保証はない。信託報酬、売買手数料、為替リスク、運用方針などを確認したうえで選ぶ必要がある。
5,000万円の運用では、投資信託・ETFを中心にして、債券や預金を組み合わせる方法が現実的だ。
REIT
REITは、投資家から集めた資金を不動産に投資し、賃貸収入や売却益を分配する不動産投資信託だ。
現物不動産を購入しなくても、オフィスビル、商業施設、住宅、物流施設などに間接的に投資できる。少額から不動産投資の分散効果を取り入れられる点がメリットだ。
上場REIT(J-REIT)は上場株式等に含まれ、NISAの成長投資枠で投資対象になる場合がある。
ただし、REITは金利上昇、不動産市況の悪化、空室、災害、借入コストの上昇などの影響を受ける。
5,000万円の運用では、REITを主力にするのではなく、株式や債券の補完として一部組み入れる程度が使いやすいだろう。
5,000万円の資産運用で慎重に判断したい投資先

5,000万円を効率的に増やせる可能性がある投資先がある一方で、資金の大部分を投じるには慎重に判断すべき投資先もある。
以下の商品は、仕組みが複雑だったり、値動きが大きかったり、資産の偏りが生じやすかったりするため、初心者が5,000万円の中心的な投資先にするのはおすすめしにくい。
先物取引
先物取引は、将来の一定時点に、あらかじめ決めた価格で売買することを約束する取引だ。
金・原油・トウモロコシなどの商品先物や、日経225先物、TOPIX先物、国債先物などがある。
先物取引は、少ない証拠金で大きな金額の取引ができるため、利益が大きくなる可能性がある一方、損失も大きくなりやすい。
また、取引期限があり、長期の資産形成とは性質が異なる。5,000万円を守りながら増やす目的には合いにくい投資方法だ。
FX
FXは、米ドル/円などの通貨ペアを売買して為替差益を狙う取引だ。
金融庁は、外国為替証拠金取引について、比較的少額で取引できる反面、差し入れた証拠金以上の多額の損失が生じるおそれがある非常にリスクの高い商品と説明している。
レバレッジを高くすると、短期間で大きな利益を狙える一方、相場が反対方向へ動いたときの損失も大きくなる。
5,000万円の資産運用では、生活資金や老後資金を守ることも重要だ。FXは長期・分散・積立を基本とする資産形成の中心には置きにくい。
現物不動産投資
現物不動産投資は、マンション・アパート・戸建てなどを購入し、家賃収入や売却益を狙う投資方法だ。
物件選びがうまくいけば安定した家賃収入を得られる可能性がある一方、初期費用、修繕費、固定資産税、空室、家賃滞納、災害、金利上昇など多くのリスクがある。
5,000万円の大部分を1つの物件に投じると、資産が不動産に偏りやすい。換金したいときにすぐ売れない流動性リスクもある。
不動産投資の経験や十分な自己資金、管理体制がある人を除き、まずはREITなどの分散された商品から検討するほうが現実的だ。
ヘッジファンド
ヘッジファンドは、主に機関投資家や富裕層から資金を集め、さまざまな運用手法で収益を狙うファンドだ。
金融派生商品を使ったり、売りと買いを組み合わせたりするなど、一般的な投資信託より複雑な運用を行うものもある。
最低投資額が高額な場合や、解約できるタイミングが限られる場合があり、資金の流動性が低くなりやすい。
また、手数料や成功報酬が高い場合もある。仕組みやリスク、換金条件、運用者の実績を理解できない場合は、安易に資金を投じないほうがよい。
暗号資産
暗号資産は、インターネット上で取引されるデジタル資産だ。代表例にはビットコインやイーサリアムなどがある。
価格が大きく上昇する可能性がある一方、短期間で急落することもある。値動きが大きく、5,000万円の大部分を預ける投資先としてはリスクが高い。
また、取引所のハッキングや秘密鍵の紛失など、金融商品とは異なるリスクもある。
税務面では、暗号資産取引により生じた利益は、原則として雑所得に区分される。所得状況によって税負担が大きくなる可能性もあるため、投資する場合でも少額にとどめ、税理士などに確認するとよい。
5,000万円の投資ポートフォリオ例

5,000万円の資産運用では、リスク許容度に応じてポートフォリオを変える必要がある。
以下は、5,000万円全体をどのように配分するかを考えるための例だ。実際には、年齢、家族構成、住宅ローン、教育費、老後資金、相続予定などにより最適な配分は変わる。
あくまで考え方の参考として確認してほしい。
安定型|守りを重視したい人向け
安定型は、元本の大きな変動をできるだけ抑えたい人向けの配分例だ。
| 資産 | 割合 | 5,000万円の場合 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 預金・短期資金 | 25% | 1,250万円 | 生活防衛資金・近い将来使う資金 |
| 個人向け国債・国内債券 | 30% | 1,500万円 | 安定性を高める |
| 先進国債券 | 20% | 1,000万円 | 利回りと分散を狙う |
| 全世界株式・先進国株式 | 20% | 1,000万円 | 長期的な成長を取り込む |
| REIT | 5% | 250万円 | 不動産収益を一部取り入れる |
安定型では、預金・国債・債券の比率を高めにする。株式比率を抑えるため、大きな値上がりは狙いにくいが、相場下落時の不安を抑えやすい。
退職前後の人や、5年以内に使う予定の資金が多い人は、安定型をベースに検討するとよいだろう。
バランス型|守りと成長の両方を重視したい人向け
バランス型は、ある程度のリスクを取りつつ、資産全体の安定性も確保したい人向けの配分例だ。
| 資産 | 割合 | 5,000万円の場合 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 預金・短期資金 | 15% | 750万円 | 生活防衛資金・急な支出への備え |
| 国内債券・個人向け国債 | 20% | 1,000万円 | 値動きの安定化 |
| 先進国債券 | 15% | 750万円 | 利回りと通貨分散 |
| 全世界株式・先進国株式 | 40% | 2,000万円 | 長期的な資産成長 |
| REIT・その他分散資産 | 10% | 500万円 | 株式・債券以外の分散 |
バランス型は、株式と債券を組み合わせることで、長期的な資産成長と値動きの安定性の両方を狙う配分だ。
40代〜50代で、今後10年以上運用期間を確保できる人に向いている。
積極型|長期で成長を重視したい人向け
積極型は、長期的な資産成長を重視し、株式比率を高める配分例だ。
| 資産 | 割合 | 5,000万円の場合 | 役割 |
|---|---|---|---|
| 預金・短期資金 | 10% | 500万円 | 急な支出への備え |
| 国内債券・先進国債券 | 15% | 750万円 | 値動きの調整役 |
| 全世界株式・先進国株式 | 55% | 2,750万円 | 資産成長の中心 |
| 新興国株式 | 10% | 500万円 | 高成長地域への分散 |
| REIT・その他分散資産 | 10% | 500万円 | 不動産・代替資産の分散 |
積極型は、相場上昇時のリターンを狙いやすい一方で、下落局面では資産額が大きく減る可能性がある。
20年程度の長期運用を前提にできる人、相場下落時にも売却せず保有を続けられる人向けだ。
5,000万円の値動きは金額も大きく見えるため、積極型を選ぶ場合は定期的なリバランスとメンタル面の準備が欠かせない。
5,000万円の資産運用で注意すべき点

5,000万円を運用すると、資産を増やせる可能性がある一方で、判断を誤ると大きな損失につながる。
資産運用を始める前に、以下の注意点を確認しておこう。
余剰資金の範囲内で運用する
5,000万円を運用する場合でも、生活に支障をきたさない余剰資金の範囲内で投資を行うことが大前提だ。
教育費、住宅ローン、老後の生活費、医療費、介護費など、近い将来必要になる資金まで投資に回すと、相場下落時に困る可能性がある。
特に、家族構成や年齢によって必要な資金は大きく変わる。独身で住宅ローンがない人と、子どもの教育費がこれから必要な人では、投資に回せる金額は異なる。
まずは、5年以内に使う予定のあるお金を投資対象から外すことを意識しよう。
リスク許容度の範囲内で運用する
資産運用では、リターンを狙うほど値動きのリスクも大きくなりやすい。
リスク許容度は、年齢、収入、家族構成、保有資産、投資経験、性格などによって変わる。
たとえば、20代〜40代で運用期間が長く、安定収入がある場合は比較的リスクを取りやすい。一方、退職後で年金生活に入っている場合は、資産を大きく減らさない運用を重視したい。
5,000万円の運用では、下落時の金額も大きく見える。仮に30%下落すれば、1,500万円の評価損になる。
その下落に耐えられない配分であれば、株式比率を下げるなど調整が必要だ。
短期的な相場に振り回されない
5,000万円の資産運用では、長期的な視点を持ち、短期的な相場変動に振り回されないことが重要だ。
市場は景気、金利、為替、政治情勢、企業業績などの影響を受けて日々変動する。
短期的な下落に不安を感じて売却すると、その後の回復局面を逃してしまう可能性がある。
資産運用を始める前に、「どのくらい下落したら不安になるか」「いつまで運用するか」「どのタイミングで見直すか」を決めておくとよい。
投資プランを定期的に見直す
5,000万円の運用では、投資プランを作って終わりにしないことも大切だ。
年齢、家族構成、収入、退職時期、教育費、住宅ローン、相続予定などが変わると、最適なポートフォリオも変わる。
また、相場変動によって株式や債券の割合が崩れることもある。たとえば株式が大きく上昇すると、当初より株式比率が高くなり、リスクを取りすぎた状態になる。
少なくとも年に1回は資産配分を確認し、必要に応じてリバランスを行うとよい。
高い手数料や不透明な商品に注意する
5,000万円を保有していると、銀行・証券会社・不動産会社・保険会社などからさまざまな商品を提案されることがある。
提案を受けた場合は、期待リターンだけでなく、販売手数料、信託報酬、解約手数料、運用期間、換金条件、リスクを必ず確認しよう。
「元本保証で高利回り」「絶対に儲かる」「今だけ限定」といった説明がある場合は特に注意が必要だ。
内容が理解できない商品には投資しないことが、5,000万円を守るうえで重要である。
5,000万円の資産運用が成功する人の考え方

5,000万円の資産運用を成功に近づけるには、商品選びよりも先に、運用方針を固めることが大切だ。
ここでは、5,000万円を運用するうえで意識したい考え方を紹介する。
「長期・積立・分散」を基本路線にする
5,000万円を運用する際は、一度にすべてを投資するのではなく、長期・積立・分散を基本に考えたい。
長期運用は、複利効果を活かしやすい。積立投資は、高値づかみを避けながら投資を継続しやすい。分散投資は、1つの資産や地域に集中するリスクを抑えやすい。
投資には元本割れのおそれがあるが、資産や地域、投資時期を分散することで、リスクと向き合いやすくなる。
短期的に大きな利益を狙うよりも、5,000万円を長く守りながら増やす姿勢が重要だ。
目標や状況に応じたポートフォリオを組む
5,000万円の運用では、「何のために増やすのか」を明確にする必要がある。
たとえば、40代なら教育費や住宅ローン、老後資金を同時に考える必要がある。60代以降なら、資産を大きく増やすよりも、取り崩しながら守る視点が重要になる。
同じ5,000万円でも、年齢や家族構成、収入、将来の支出予定によって最適なポートフォリオは変わる。
まずは、必要な時期ごとに資金を分け、そのうえで長期運用資金の配分を決めよう。
NISAやiDeCoなどの優遇制度を活用する
5,000万円の資産運用では、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度を活用することも重要だ。
NISAは、非課税口座で取得した上場株式等について、配当等や売却益が非課税となる制度だ。
2024年からのNISAでは、年間投資上限額はつみたて投資枠120万円、成長投資枠240万円で、合計360万円。非課税保有限度額は1,800万円で、そのうち成長投資枠は1,200万円までとされている。
通常、上場株式等の配当等に申告分離課税を選択した場合、20.315%(所得税および復興特別所得税15.315%、地方税5%)の税率が適用される。NISAを使えば、一定の条件のもとでこの税負担を抑えられる。
ただし、NISA口座で生じた損失は、課税口座の利益と損益通算できず、繰越控除もできない。非課税のメリットだけでなく、損失が出た場合の扱いも理解しておこう。
iDeCoは、掛金が全額所得控除の対象となり、運用益も非課税で再投資される制度だ。老後資金づくりに有効な一方で、原則として60歳になるまで資産を引き出せない点に注意が必要である。
5,000万円のうち長期で使わない資金については、NISAやiDeCoの活用を優先し、非課税枠を超える部分を課税口座で運用する流れが現実的だ。
5,000万円の資産運用はプロに相談するのも有効

5,000万円を運用する場合、どの商品を選ぶかだけでなく、税金、相続、老後の取り崩し、保険、住宅ローンなども合わせて考える必要がある。
自分だけで判断するのが難しい場合は、資産運用のプロに相談するのも有効だ。
ただし、相談先によって提案内容や報酬体系は異なる。メリットだけでなく、利益相反や手数料も確認しておきたい。
資産運用をプロに相談するメリット
資産運用をプロに相談すると、商品選びだけでなく、資産全体の配分やライフプランに合わせた運用方針を整理しやすくなる。
効率的に運用方針を整理できる
5,000万円を自分だけで運用しようとすると、投資商品、税制、手数料、リスク、相続など多くの情報を調べる必要がある。
プロに相談すれば、自分の年齢、家族構成、収入、支出、将来の目標を踏まえて、運用方針を整理しやすくなる。
投資経験が少ない人にとっては、資産配分や制度活用の優先順位を確認できる点がメリットだ。
第三者の視点でリスクを確認できる
自分だけで投資を進めると、特定の商品や情報に偏って判断してしまうことがある。
専門家に相談すれば、資産全体の偏り、手数料、税金、リスク許容度などを第三者の視点で確認できる。
ただし、専門家にも得意分野や報酬体系がある。相談先を選ぶときは、どのような立場で提案しているのかを確認することが重要だ。
長期的な見直しをしやすい
資産運用は、商品を購入して終わりではない。
相場環境や家計状況の変化に応じて、定期的にポートフォリオを見直す必要がある。
長期的に相談できる担当者がいれば、退職、相続、子どもの独立、住宅ローン完済などのライフイベントに合わせて運用方針を見直しやすくなる。
資産運用のプロに相談する際のメリット・デメリット
相談先には、証券会社、銀行、IFA、FPなどがある。それぞれの特徴を確認しておこう。
証券会社
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 株式、債券、投資信託などの取扱商品が多い マーケット情報を得やすい 対面で相談できる会社もある | 担当者が異動する場合がある 販売手数料やノルマの影響を受ける場合がある 担当者によって提案力に差がある |
証券会社は、金融商品の選択肢が多く、投資に関する情報も得やすい。
ただし、販売手数料や営業方針の影響を受ける可能性があるため、提案された商品の手数料やリスクを自分でも確認しよう。
銀行
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 店舗が多く相談しやすい 預金・ローン・相続なども相談しやすい 普段使っている金融機関なら安心感がある | 証券会社より取扱商品が限られる場合がある 担当者が異動する場合がある 保険や投資信託などの販売提案が中心になる場合がある |
銀行は、預金、住宅ローン、相続、保険などを含めて相談しやすい点がメリットだ。
一方、投資商品の選択肢が限られる場合がある。提案を受ける際は、同じタイプの商品を証券会社やネット証券の商品とも比較するとよい。
IFA
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 長期的に同じ担当者へ相談しやすい 証券会社に雇用されない立場で提案を受けられる 資産全体の相談がしやすい | 報酬体系や提携先によって提案内容が変わる場合がある 会社や担当者の比較が難しい 販売手数料や管理報酬が発生する場合がある |
IFAは、証券会社に雇用されていない金融アドバイザーだ。転勤が少なく、長期的に同じ担当者へ相談しやすい点が特徴である。
ただし、IFAも提携証券会社や報酬体系の影響を受ける。相談前に、手数料、報酬、取り扱える商品、利益相反の有無を確認しておこう。
FP
| メリット | デメリット |
|---|---|
| 家計、保険、年金、住宅ローンなど幅広く相談できる ライフプラン全体を整理しやすい 中立的な家計相談を受けられる場合がある | 具体的な金融商品の売買助言はできない場合がある 担当者によって得意分野に差がある 保険販売などの収益構造に注意が必要 |
FPは、資産運用だけでなく、家計管理、保険、年金、住宅ローン、教育費、相続などを幅広く相談できる。
ただし、FP資格だけでは具体的な有価証券の売買助言ができない場合がある。投資商品の具体的な提案を受けたい場合は、金融商品仲介業者や証券外務員資格の有無も確認したい。
5,000万円は「守る資金」と「増やす資金」を分けて運用しよう

5,000万円をさらに増やしたい場合、資産運用は有効な選択肢となる。
ただし、5,000万円全額を投資に回すのではなく、生活防衛資金、5年以内に使う資金、長期運用資金に分けることが重要だ。
長期運用に向いている投資先としては、債券、株式、投資信託、ETF、REITなどがある。いずれもメリットとリスクがあるため、1つの商品に偏らず、複数の資産を組み合わせよう。
一方で、先物取引、FX、現物不動産投資、ヘッジファンド、暗号資産などは、仕組みが複雑だったり、値動きが大きかったりするため、5,000万円の中心的な投資先にするには慎重な判断が必要だ。
資産運用を成功に近づけるには、「長期・積立・分散」を基本にし、NISAやiDeCoなどの税制優遇制度も活用したい。
自分だけで判断するのが難しい場合は、証券会社、銀行、IFA、FPなどに相談するのも選択肢だ。ただし、報酬体系や手数料、提案の立場を確認したうえで相談先を選ぼう。
5,000万円は、人生の安心につながる大切な資産だ。守る資金と増やす資金を分け、自分の目的とリスク許容度に合った運用を進めていこう。
出典
金融庁「預金保険制度」
総務省統計局「2020年基準 消費者物価指数 全国 2026年3月分及び2025年度平均」(公開日:2026年4月24日)
財務省「個人向け国債の発行条件等」(公開日:2026年5月13日)
金融庁「資産形成の基本」
金融庁「NISAを知る」
国税庁「No.1535 NISA制度」(公開日:2025年4月1日)
国税庁「No.1331 上場株式等の配当等に係る申告分離課税制度」(公開日:2025年4月1日)
国税庁「No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」(公開日:2025年4月1日)
国税庁「No.1135 小規模企業共済等掛金控除」(公開日:2025年4月1日)
国民年金基金連合会「iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)公式サイト」
国民年金基金連合会「iDeCo(イデコ)のメリット」
金融庁「外国為替証拠金取引について」(公開日:2020年2月21日)
国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」


